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2010年8月17日 (火)

百田尚樹『ボックス!』一気に読了

小説を読むのはこんなに面白いことだったんだ、とひさしぶりに実感しました。読み始めたら止まらなくて、上巻を読み終わると、下巻はあっという間でした。

ボックス! 』()()は、高校のボクシング部の話ですが、私自身はボクシングには全く興味がありません。それでもずぶの素人がついていけるように、作者は高津耀子というボクシングに無知な顧問教師を用意してくれました。彼女の疑問、質問についていくうちに、少しずつ、ルールや練習方法が頭に入っていきます。

主役の二人の少年は佐藤多佳子『一瞬の風になれ』の連と新二を思わせるところがありましたが、話はそれとはまた違った展開をたどっていきました。

つくづく私はこういう手の物語が好きなのだと思います。繰り返される練習、熱っぽく語られる醍醐味、個性ある脇役の少年たち、ライバル同士の切磋琢磨。陳腐すぎて笑われるかも知れないのに、まっすぐに語られると感動してしまう正攻法の青春小説。うーん。

重要人物たちはさておき、ボクシング部マネージャーの丸野智子の存在が素晴らしかったです。これも下手をすれば陳腐になりかねない人物設定なのに、彼女の性格が魅力的であるために、全くそんなことは感じさせませんでした。

巻末の作者の略歴を見て、驚きました。2006年に作家デビュー。生年は……1956年。つまり、50歳で第一作を世に出したということ。その前に放送作家としての履歴があるにしても。

ボックス! 上 Book ボックス! 上

著者:百田 尚樹
販売元:太田出版
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コメント

友人が貸してくれたので
百田さんの『永遠の0』を読みました。
『ボックス!』も読んでみます。

私は『永遠の0』を先日読みました。(ということをブログに書いてなかったですね)
『風の中のマリア』も読みたくなりました。

『永遠の0』、泣かせてくれるじゃないですか!
でも、『ボックス!』は、
全然違った書き方みたいですね。

『永遠の0』を読んだのは『小さいおうち』のすぐあとだったので、戦場と銃後を描いたそれぞれの傑作を読み比べたみたいで、いいタイミングでした。あの取材力はすごいですね。それなのに、別の作品では全く違う世界をまた緻密に書けるんですね。
『ボックス!』は読んで爽快でした。

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