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2010年10月の記事

2010年10月31日 (日)

『火群のごとく』一気に読めました。

ここ数年、あさのあつこさんの本が凄まじい勢いで出版されていて、出たものの5冊に1冊も読んでいないような気がします。10冊に1冊くらいかもしれません。

ただ『火群のごとく』については、内容の片端を聞きつけ、これは是非、読んでおきたいと思いました。幅広いジャンルの作品がありますが、私の好みでは、時代物がなかなかに面白いと思っています。

時代背景は違うけれども、やはり『バッテリー』の作者が書いた少年たちだと、彼らのやりとりを読みながら思いました。樫井透馬の人物像が興味深かったです。

人気が集まれば、ひょっとして続編という話が持ち上がるかもしれませんが、私という読者の希望としては、この作品には続編を書いて欲しくありません。これは、この形で完成していると思うからです。このあとを書けば、サラリーマンになった瑞垣や海音寺の通勤風景を描くようなものだという気がします。

火群(ほむら)のごとく 火群(ほむら)のごとく

著者:あさの あつこ
販売元:文藝春秋
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2010年10月26日 (火)

『クリスタルエッジ』続編の読了。

9月に出版されてからもう1か月以上経ってしまいましたが、ようやく『クリスタルエッジ 目指せ4回転!』を読みました。

前作の記憶が薄れかけているのに気づき、2巻目の最初のあたりで中断して、1巻目から一気に読み直しました。おもしろかった、でも第1巻のほうがもっとおもしろかった、というのが率直な感想です。

1巻を読んでいたときには、ものすごい吸引力で惹きつけられて、終わり近くには感動の極みにいて、そこで最後にドタバタが入ったものだから、過度に「この最終ページはなんじゃ!」と反応してしまいました。今回読み返してみたら、その流れは分かっているものだから、瀬賀と葵のつかみ合いは別に気になりませんでした。というより、前回、なんであんなに気分を削がれたんだろう、という感じです。

さて、第2巻は、視点を変えて葵の語りになります。というと、どうしても森絵都さんの『DIVE!!』を連想します。いったん連想が入ると、コーチの息子が有力選手の一人で、事情を抱えた秘密兵器のような選手がコーチの家に同居して……というようなところまで、頭の中でつながっていきます。これはちょっと損してるのではないかと、思いました。

語り手を巻ごとに変えるときは、

(1)視点が変わることによって同じできごとの様相が全く違って見えて来る(読者に鮮明な驚きを与える)。

(2)視点を変えなければ語り得ないようなポジションに登場人物が立っている。

(3)ちょっと変化をつけて読者を楽しませる工夫とする。

というようなことが考えられると思うのですが。できれば(1)であってほしい。私自身がそういう本を読みたいから。

今回は、読者としての私が前作『クリスタルエッジ』の水準と同じでは納得しなくなっているので、評価は辛めになります。続編は前作を超えるか、または良い意味で前作を裏切るかしてくれないと、「やられた!」という痛快な気分を味わえません。

これが巻を重ねていって、大きな流れの中の大切なパーツの一つとして見えてくると、また印象が変わってくることでしょう。

第3巻の主役(語り手)は和真かな、と早くも勝手な想像をめぐらしています。何のかんのといいながら、第3巻が出たらきっと読みますし、楽しみにしています。

クリスタル エッジ 目指せ4回転! (YA!ENTERTAINMENT) クリスタル エッジ 目指せ4回転! (YA!ENTERTAINMENT)

著者:風野 潮
販売元:講談社
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2010年10月23日 (土)

外出

今日は休みの日だったので、午前中、母方のそのまた母方の先祖の墓参りに行ってきました。距離的には家からそんなに遠くないのですが、山道をだいぶあがった小高いところにあるので、車を降りてから歩くだけで、いい運動になりました。

今は暑くも寒くもなく、外に出かけるにはちょうどいい気候です。とはいっても、今日は少々暑いようでしたが。

勤務日が不規則で、連休というものがほぼないので、休みの日は実用的な用事と休養で終わってしまうことが多いのですが、たまには散歩のような外出ができたら気持ちがいいだろうと思います。

2010年10月17日 (日)

片川優子『100Km!』読了

20代半ばの頃、およそ11時間をかけて45Kmを歩いたことがあります。萩往還という江戸時代の街道を歩くイベントがあって、職場の人たちと参加したときのことでした。

萩往還は城下町萩から山口を通って防府に通じる道で、江戸時代にはりっぱな幹線道路だったのだろうと思います。私たちが歩いたのは、全部が萩往還ではなくて、それ以前とそれ以後も含み、萩の宿泊施設を始点として山口市役所を終点としたものでした。萩往還が防府市にも通じているらしい、というのは後から読んだことなので、当時の知識としては萩往還は33キロくらいだと思っていました。

その後、秋吉台に向けて80Kmを歩くイベントに誘われたこともありましたが、眠らずに歩き続けるなんて私には絶対にできないと思ったのでお断りしました。以後、そういうイベントには参加していません。

さて、片川優子さんの新作『100Km!』を読了しました。表紙を見たとたん、あ、これはあの手のイベントだ、とピンと来ました。100Kmと45Kmでは比べることもできないくらい違いますが、あのときの経験のおかげで、いくらかは共感の度合いが違ったのではないかと思います。

作品としては、歩き続ける話の背景に家庭と家族の物語が展開されますが、それはそれで作品の厚みを増しているとは思いますが、私としては一番おもしろかったのは、歩き続けるイベントそのものの描写です。これこそ、誰もが体験しているわけではなくして作者が体験していることであり、おそらくは、ほんとうに書きたかったことはこれではなかったかと、勝手に想像しています。

100km! 100km!

著者:片川 優子
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2010年10月 3日 (日)

中島京子『小さいおうち』読みました

直木賞を受賞してから、図書館での『小さいおうち』の予約件数はすごいことになっています。私は比較的早くに予約していたので、今くらいの時期に読むことができました。(予約の行列の最後尾の人は、年内には絶対に読めないし、来年中も無理ではないでしょうか)

読みながら、思った以上におもしろい本だと思いました。語り口が古風で、いかにも昭和の初期に生きた人らしい味が出ている、と。読み終えたら、とてもよかった、さすがだというふうに感想を書こうと思っていました。

さて、終わりまで読むと、「とてもよかった、さすがだ」というのは変わりがないのですが、なにか胸がしんとしてしまいました。この感じをどういうふうに解釈して、どう言い表したらいいのか、扱いかねています。

そんなわけで、単純な感想文を書くことはできなくなりました。

絵本の『ちいさいおうち』のことも、全く無関係ではなく、最終章に出てきます。

小さいおうち 小さいおうち

著者:中島 京子
販売元:文藝春秋
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