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2011年9月24日 (土)

「我が輩は山口県の伊藤ではない。日本の伊藤である。」

この記事のタイトルは、古川薫著『伊藤博文―明治日本を創った志士 (時代を動かした人々 維新篇)』(小峰書店)の終わり近い部分に載せられた一節です。

総理大臣となった伊藤博文が下関で歓迎の挨拶に応えたときの言葉を伝えたもので、「我が輩が遺憾とするのは、国家のため命懸けではたらけという激励をたまわらなかったことだ。」「諸君は、総理大臣たる我が輩が、山口県を利する何事かをしてくれるであろうと期待しておられるのであろうが、それはまちがいである。いまや我が輩は山口県の伊藤ではない。日本の伊藤である。」と記されています。

地元山口県民の中には「こんなことばを後世に伝えるとはけしからん」と腹立たしく思う人もいるでしょうが、私は「よくぞ言った。伊藤博文というのは、こういうことを言える人物だったのか」と内心、大いに見直したものでした。一般的に好感度の高い高杉晋作や後世の評判があまり芳しくない山縣有朋にくらべて、伊藤博文は賛否相半ばする人物ですが、この台詞に関しては尊敬に値する政治家だと思います。(選挙のない時代のことだから得票数を気にせずに言えたのかもしれませんが)

古川薫氏のこのシリーズは、坂本竜馬や西郷隆盛、勝海舟、佐久間象山、板垣退助、はては英国人のアーネスト・サトウまで、幕末維新の慌ただしい時代を、立場の違う人たちのそれぞれの視点から多角的に描いています。格調の高い文章ですが、執筆の姿勢としては少年少女向けです。

伊藤博文―明治日本を創った志士 (時代を動かした人々 維新篇) 伊藤博文―明治日本を創った志士 (時代を動かした人々 維新篇)

著者:古川 薫
販売元:小峰書店
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