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2012年1月の記事

2012年1月28日 (土)

えっ、「ひかりの素足」論!

ときどきインターネットで自分の名前を検索してみることがあります。この行為には「エゴサーチ」という名前がついているそうで、やっているのは私だけではないと知ったときには、ほっとしました。それまでは、自分が自己顕示欲の塊のように思えて恥ずかしさを感じていましたから。

近ごろはTwitterのあまり広めたくもない、疲れたつぶやきがヒットしたりして、閉口することがあります。

さて、そんなエゴサーチの何ページ目か(つまり余り人が見ないくらいの下位)で、宮沢賢治の「ひかりの素足」についての論考が出てきました。「賢治童話『ひかりの素足』論」と題された、Ku,Chin-Fenさんという中国人か中国系の人の論文のようです。PDFファイルになっていました。

中村稔、天沢退二郎、中野新治、分銅惇作……といったお歴々の論考が参照されていくのに並び、「むしろ和木浩子が綿密な分析を行って、……(中略)……と帰結しているのが最も穏当なところであろう。」などと書いてあるではありませんか。

私は大学の学部の卒論以外に論文など書いたことも書こうとしたこともないけれど、サイト「物語工房」の宮沢賢治コーナーで「「ひかりの素足」の信仰」という文章を載せたことがあります。Ku,Chin-Fenさん(あるいはKu,Chin-Fen先生?)はこれをご覧になったようで、ちゃんとこのページのURLが紹介してありました。

だいじょうぶかなあ、私が書いた物なんかを論文に引用して。他の文章は雑誌や書籍に掲載された出版物ですが、私のは自分で勝手に書いて勝手にアップロードしただけですよ。

和木浩子が研究者ではないということを外国人だからご存じなかったのでしょうか。それどころか、大学院生ですらなく、学部の専攻も近代文学ではなく、ただの賢治童話の読者にすぎません。研究者という人たちは、(私が知っている限りでは、)そういう背景や履歴にすごくこだわるはずなのですが。

しかし、自分の書いた文章が、こんな形で引用されているというのは、ちょっと嬉しかったりします。で、いそいそとブログに書いてみました。

2012年1月23日 (月)

2011年に出会った本から(文学一般)

予告よりも遅くなりましたが、昨年読んだ本からのピックアップの続きです。児童文学の次は、文学一般と言うことで、大人向けの小説や文学に関する本から採り上げました。2011年に私が読んだ本、ということなので、だいぶ前に出版された本も含めています。

鳴海風 『円周率を計算した男

浜口倫太郎 『アゲイン

荻原浩 『砂の王国』上・下

ひこ田中 『ふしぎなふしぎな子どもの物語 なぜ成長を描かなくなったのか?

この外にもまだ読んでいるのですが、児童文学ほど多くないので、選ぶとこれくらいにしかなりませんでした。

つづけてもう少し違う分野の本を拾ってみます。

2012年1月15日 (日)

中川なをみ『天游』を読了

『水底の棺』の作者、中川なをみさんの歴史物だというので、大いに期待して読み始めました。正式なタイトルは『天游―蘭学の架け橋となった男』となっています。

ここ数年、くもん出版から『天と地を測った男 伊能忠敬』(岡崎ひでたか)、『月のえくぼを見た男 麻田剛立』(鹿毛敏夫)、『星空に魅せられた男 間重富』(鳴海風)と江戸の天文観測三部作が出ています。登場人物につながりがあり、『天游』もこの流れの中に位置づけられるかと思います。

ただ、天文観測三部作は伝記でしたが、この本は小説、読み物に分類されています。江戸時代後期の人物としては残された資料がごく少なくて、創作しめる割合が大きくならざるを得なかったからでしょう。

少ない資料の中から事実と推測できる事柄を丹念に拾い上げて、ユニークな人物像を見つけ出してくる創作手法には、大いに学ばされるところがありました。

天游も主人公として存在感がありますが、奥さんがまた魅力的です。江戸時代に女医として活躍したというのは、当時の女性としてまれに見るキャリアではないでしょうか。自分の仕事をこなしつつ、無邪気で手のかかる夫を理解し、才能をじゅうぶんに発揮させた賢妻でもあります。

作家、画家ともに時代考証にはずいぶん心を砕かれたことと思います。

  天游―蘭学の架け橋となった男 (くもんの児童文学)

2012年1月11日 (水)

2011年に出会った本から(児童文学編)

1年間に読んだ本の中から印象に残った本を選び出すというのは難しい話でどうしても線を引けないところがあります。それでも一応、去年の読了本から5点を選んでみました。範囲が広すぎると決められないので、今日のところは児童文学作品から採り上げます。

1位から5位ではなく順不同の5点です(複数巻の作品もあるので5冊になっていません)。私が去年読んだ本、ということなので、出版年はまちまちです。

濱野京子『アギーの祈り

吉橋通夫『風の海峡』上下

廣嶋玲子『火鍛冶の娘

ジュリア・ゴールディング『キャットと王立劇場のダイヤモンド

キャロル・ウィルキンソン『ドラゴン・キーパー』1~3

以上、読み上げてから月日が経ってもイメージがくっきりと残っている本を挙げてみました。これだけではないのですが、ここに挙げた本を楽しんで読んだことは確かです。

次の記事では別のジャンルの本を振り返ります。

2012年1月 1日 (日)

己を龍と思え……

「己を龍と思え、雲自ずと湧き起こる」

少し語句が違ったかもしれませんが、10年近く前に、ベンチャービジネスを志している人たちのプレゼンのコンテストで、最後に講評をした審査委員の先生がおっしゃっていた言葉です。

私はその道の素人で、ただ仕事上の都合でその場に見学に行っていたのですが、この言葉の意味するところは、ビジネスだろうと文学だろうと、芸能やスポーツだろうと、恐らく同じことだと思い、記憶に刻みつけられました。

その後、これとよく似た言葉で、「龍となれ、自ずと雲が来る」といった類の語句を目にしました。でも、これだったら、恐らく「己を龍と思え」ほど感動しなかっただろうと思います。

龍にならなくちゃ始まらないのか、龍になれる才能があるのなら、何も考える必要はないじゃないか。龍になれそうにもない凡庸な者が、己を龍だと信じたときに、何もないところから雲が湧き起こることがすごいのだ、と。

というわけで、辰年の年頭に当たり、霧(無)から雲を湧き上がらせようと目論んでいることを宣言して、新年のご挨拶といたします。

本年もよろしくお願いします。

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