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2012年9月の記事

2012年9月15日 (土)

三浦しをん『舟を編む』を読む

図書館で予約していた『舟を編む』の順番が回ってきました。初めの数ページを読んだところで、言葉の面白さに目を開かれ、これはきっと愛読することになる本だ、と確信しました。

ベストセラーだから読んでみようという趣味はないのですが、本屋大賞のノミネート作品となり、題名が自ずと耳に入るようになってきたころ、新聞で辞書を作る人たちのことを描いた本だと知りました。それならば「舟を編む」というタイトルの意味も了解できます。言葉の海に乗り出していく舟を作るということなのだ、と。俄然、興味がわいてきました。

さっそく図書館の予約の長い列に並んだのですが、直後に本屋大賞受賞となり、私の後にも長い長い列ができました。全くいいタイミングでした。

本を手にして、まずその装幀を好きになりました。まさしく辞書の表紙を表しています。ふだんはテキストを第一に考え、装幀や挿絵には文章に見合うほどの注意を払わない私ですが、ときどき「この表紙(絵)でなかったら、いやだ」という本に出会います。書籍というのはやはり、器と中身を合わせて、パッケージとして楽しむものだと再認識します。

下の画像はAmazonさんから借りてきたものですが、表紙の下半分に無粋な帯がかかっているのが残念です。本体は下までが同じ紺色で、題字と同じ銀色の線で波のうねりが描かれています。上の方にある舟の絵と響き合って、その趣向がとてもとてもとても素敵なのです。

もうほとんど終わり近くまで読んでいるのですが、この本はもういっぺん繰り返して読みたい本です。図書館に返したら、買いたくなるかも知れません。

2012年9月 2日 (日)

橋口侯之介『和本への招待』

4月の記事で、中野三敏『和本のすすめ――江戸を読み解くために (岩波新書)』について書いたことがありましたが、今また和本に興味をそそられています。和本そのものよりも江戸時代の出版についての興味から読み始めたのですが。

今、図書館で読みたい本を4、5冊見つけています。その中で先ず読み上げたのが橋口侯之介『和本への招待 日本人と書物の歴史 (角川選書)』です。

どちらの著者も共通して述べていたのが、和本を読むことのできる人間が珍しくなったら(実際、今ではそうなっているのだけれど)、明治初期までの日本文化の伝統が断絶してしまうということでした。それは、資料の少ない素材で歴史物を書きたいと目論んでいる私にとっても、痛切に感じられることでした。過去の書体を読めるようになることは、外国語を学ぶことよりも急を要する重大事ではないかと思えてきました。

当面の目標は江戸時代の出版文化について理解して、時代考証に役立てることなのですが、これらの本の宣伝をして、和本文化の「布教」の片棒を担ぎたい、という思いに駆られています。

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